日々小論

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 今年のノーベル物理学賞が愛媛県出身で米国籍の気象学者、真鍋淑郎(しゅくろう)さん(90)に贈られることになった。コンピューターを使って地球温暖化を予測するモデルを世界で初めて考案したというのが授与の理由だ。

 戦後間もない1950年代に研究を始め、太陽から届く熱と大気循環の相互作用を分析し、温室効果ガスの影響で地球が温まることを突き止めた。大量のエネルギー消費が地球規模の気候変動を招くと当時、どれほどの人が想像し得ただろう。

 テレビのインタビューを見ていると、真鍋さんがある人物の名前を挙げていた。

 ジョン・フォン・ノイマン(1903~1957年)。私たちが使っているパソコンの基本構造を考案した米国の数学、物理学者である。

 記憶装置からプログラムとデータを読み込み中央演算処理装置で処理する。「コンピューターの父」と呼ばれたノイマンは、飛躍的に拡大する計算能力を最も有効に活用できる分野は気象予測と考えていたという。

 若き日の真鍋さんは、ノイマンの考えに触発されて研究に没頭したと語る。やがてその成果が、研究者を募っていた米研究機関の目にとまった。

 渡米した真鍋さんは、ノイマンが開発を主導した最新コンピューターを駆使する、願ってもない研究環境に身を置く。一方で日進月歩のコンピューターを使いこなせる新たな才能を、米国も求めていた。互いが見えない糸で引き合っていた。

 今回、「人類の生存可能性」がノーベル賞の選考理由に加わったそうだ。真鍋さんらの指摘に人類がもっと早く耳を貸し、社会のあり方を見直していたら、自然災害の激化はいくらかでも緩和できたかもしれない。

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