日々小論

  • 印刷

 取材先で高校の国語教諭に勧められ、「部活で俳句」(今井聖著、岩波ジュニア新書)という一冊が本棚に加わって、もう10年になる。中から、家族との日常を描いた句を紹介したい。

 「口あけて働き者の母昼寝」(澤田真美子)

 「弟はひまわりのごと背が伸びる」(石田和也)

 うちもそうだったなあ、と懐かしく思う。母はよく座椅子にもたれて居眠りしていた。弟の成長は兄として危機感を覚えずにいられない。急に牛乳を飲みだした私を見て、父が笑った。

 「何げない家庭の暮らしや触れ合いを感じてくれたら、と願っている」。私と同じ50代で、「週末里親」をしている友人が言った。週末になると施設の子どもたちがやってくる。共働き夫婦二人の家は、時に近所の子どもも加わってにぎわう。

 「うちは両親がよくけんかをしてたから。そんなとき、近所のおばちゃんが『うちにおいで』って声を掛けてくれて。あれは避難所だったな」。そんな思いから、虐待の恐れがあるなどで児童相談所が保護した子どもたちを、一時的に預かる「ショートステイ里親」への登録も検討しているそうだ。

 もう一人、里親で預かった子どもたちと養子縁組し、子育て真っ最中の新聞社の後輩は「最初は戸惑いもあったけれど、今は娘たちのおかげでご近所付き合いが増え、地域に根が生えたと思っています。『お父さん』と呼ばれると、心がとろけますよ」と笑みを浮かべる。

 今月は里親月間。家庭の何げない日常を味わったことのない子どもたちを、居場所のない子どもたちを受け入れる「里親制度」について、多くの人に知ってほしい。そして、できれば一歩、踏み出してもらえたら。

日々小論の最新
もっと見る
 

天気(10月20日)

  • 19℃
  • ---℃
  • 20%

  • 16℃
  • ---℃
  • 50%

  • 19℃
  • ---℃
  • 10%

  • 19℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ