日々小論

  • 印刷

 いろんな法則を見聞きする。

 労働災害でよく使われるのが「1:29:300」だ。1件の重大事故の背後に軽微な事故が29件、さらにその背後にヒヤッとするものが300件。ハインリッヒの法則と呼ばれる。

 ビジネスの世界にはパレートの法則がある。「80:20」。優れものの2割の商品が売り上げの8割を占める、といった具合に使われる。優秀な2割の従業員が…というちょっと皮肉な言い方も聞くけれど。

 衆議院が解散となり、政治の季節に入った。あわただしい永田町を見ていて、ふと思い出してしまうのが「3:2:5」である。

 歴史社会学が専門の慶応大・小熊英二教授が、月刊「世界」の2018年1月号で説いていた。興味深かったので、紹介しよう。

 12年以降の国政選挙結果を検証し、気づいたそうだ。大ざっぱな数字で書けば、全有権者のうち、自公の総得票数は3割、左派から中道のいわばリベラル層が2割、そして棄権を含む残りが5割。最近の国政選挙はおおむねこの構図に当てはまる、という説だ。つまり「3:2:5」。

 では、旧民主党が勝った09年の総選挙はどうだろう。それまで棄権していた有権者の票が動いて2割の支持票に上積みされ、3割という保守票を上回った、と読む。

 要は、5割の層をどう引きつけるか、ということになる。

 ただし、法則は法則、構図は構図。これまでそうだったからこれからも、とは言えない。小熊さんはこう締めくくる。

 「次の時代がどう切り開かれるかは、その時代を生きる人間の意志にかかっている」

 同感。

日々小論の最新
もっと見る
 

天気(11月30日)

  • 19℃
  • 9℃
  • 90%

  • 19℃
  • 2℃
  • 90%

  • 20℃
  • 7℃
  • 80%

  • 19℃
  • 5℃
  • 90%

お知らせ