日々小論

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 「せっかくテレワーク(在宅勤務)が進んだのに、通常出勤に戻ってしまった」。病児にも対応するベビーシッター派遣会社「マザーネット」(大阪市)社長の上田理恵子さん(59)のもとに、阪神間などの利用者から嘆きの声が相次いでいる。

 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、企業のテレワーク導入が加速した。働く母親たちの中には、通勤時間が減り、育児や家事の時間に余裕ができたことで「仕事と両立しやすくなった」と歓迎した人もいる。

 感染拡大が落ち着き、「オフィス回帰」は自然な流れなのかもしれないが、テレワークが働きやすさにつながった面にも目を向けたい。

 もちろん課題は少なくない。例えば、マザーネットには、テレワーク中の共働き世帯から「夫婦のオンライン会議が重なってしまった。その間、子どもを見てもらえないか」との依頼が急増した。自宅で幼い子どもの世話をしながら仕事に集中するには限界がある。そんな現実が浮き彫りになった。

 子どもの急な発熱などでシッターを利用する社員に補助を出す企業でも、テレワーク中の利用に補助するかどうかは対応が分かれる。企業側にすれば、「家にいるのだから」との思いが強いようだ。上田さんは近著「女性活躍が企業価値を高める-子育て中の部下を持つ経営者・上司のためのマニュアル」で、補助の必要性を強調する。

 コロナ禍のテレワークでは、労務管理やコミュニケーションの難しさなど、多くの課題が表面化した。だから、「テレワークは難しい」と諦めるのではなく、経験を踏まえ、業務や社員の事情に応じた柔軟な働き方をどう形にしていくのか。問われているのは企業の本気度だ。

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