日々小論

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 日本列島を縦横に結ぶ鉄道ネットワーク。その礎となる新橋-横浜間が開業して、来年で150年になる。

 日本の鉄道は、全国各地と首都東京を結ぶことを第一の目的として建設され、津々浦々に路線網が張り巡らされてきた。

 「東京行き」の列車は、鉄道のネットワークの確かさを国民に印象づけるとともに、中央集権や東京一極集中を推し進める原動力ともなった。

 時は移ろい、交通機関は航空や高速バスなど多様化した。新幹線網が全国に広がる一方、夜行列車の廃止などもあり、九州や四国など14の県には東京との直通列車は存在しない。

 それでも、時に「我田引鉄」ともやゆされる、政治家が自らの選挙区に鉄道誘致を図る事例は、整備新幹線のルートを巡る争いなど今も絶えない。

 翻って、地域の鉄道は利用の先細りに苦しんでいる。人口減少や少子化に加え、新型コロナウイルス禍による乗客の減少が追い打ちをかけた形だ。

 JR西日本は10月から、利用の少ない在来線約130本の運行を取りやめたり、区間を短縮したりした。兵庫県内でも山陽線や赤穂線などで減便された。便数が減れば、さらに利用者が減る悪循環に陥らないか。地域の不安を高めている。

 運輸業界では、需要がコロナ禍前には戻らないとの見方があり、先行きは厳しい。自助努力だけで危機を克服できる事業者は少数だろう。沿線住民や路線を支える自治体から国に強力な支援を求める声も聞こえる。

 公共交通の役割はどうあるべきか。地方の多様性を守る観点からも問い直したい。折しも衆院選。国会という首都東京への道を競う候補者の皆さん、足元の危機は見えていますか?

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