日々小論

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 25年ぶりにリーグ優勝したプロ野球オリックスの解説記事を読んでいて、目にとまった言葉は「大型補強なし」「全員が戦力」「積極起用」だった。

 例えば、過去5年で通算9本塁打のバッターが期待に応えて今季は4番に定着し、ホームラン王(32本)に輝いている。そんな一つ一つの「抜擢(ばってき)」物語がチームを変えたらしい。

 「配られたカードで勝負するしかないのさ」とは犬のスヌーピー(漫画「ピーナッツ」)の格言だが、知恵と工夫でカード一枚一枚の強みを生かし、総合力を高める。強敵をなぎ倒す。見ていて、これは痛快だ。

 どんな組織であれ、人事の目玉は「抜擢」かもしれない。国語辞典によれば、「大勢の中からその人を目的に合う者として選び出し」「特に引き抜いて登用すること」だという。

 当人の覚醒を促すのはもちろんのこと、「なんであの人が」といった驚きや嫉妬が周囲をざわつかせ、マンネリに陥りがちな組織に活を入れる効果もあるのだろう。とはいえ、目算倒れに終われば「ただのウケ狙い」との冷笑を浴びかねない。抜擢とは難しい。

 野球に話を戻せば、日本ハムの監督に“抜擢”された新庄剛志さんの阪神時代の話を以前、読んだことがある。

 何番を打ちたい? 当時の野村克也監督に問われ、答えた。「そりゃ4番ですよ」。開幕から4番を任されたそのシーズン(2000年)は過去最多の28本塁打を放ったそうだ。

 「レギュラーは一人も決まっていない」「新人が開幕投手になっているかも」。新庄監督は就任会見で不敵に語った。来季の話はまだ早いとしても、どこのチームの、どんな抜擢物語が見られるか。楽しみなところ。

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