日々小論

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 今、どんな思いで息を潜めているのだろう。中国の女子プロテニス選手、彭帥(ほうすい)さん(35)の心身が案じられる。

 張高麗(ちょうこうれい)元副首相に性的関係を強要されたと中国版ツイッターで告発したのは11月初旬。その後の彼女を巡る動きは、異様というほかない。この深刻な人権侵害に、政治家やスポーツ界の責任ある人々がどんな言動をするのか(またはしないのか)、しっかりと見る必要がある。

 彭さんのものとされる投稿は案の定すぐに削除され、本人の安否が数週間も分からなくなった。大坂なおみ選手らが「#彭帥はどこ」とハッシュタグ(検索目印)を付けてネットで発信するなど、世界中に懸念が広がったのは当然だと思う。

 中国国内で厳しい報道規制が敷かれる一方、海外に向けては政府系メディアが彭さんのメールや笑顔の動画を近況と称して公開した。まるで出来の悪いスパイ映画を見ているようだ。

 ちなみに、日本の報道機関による記事やニュースには、彼女が「不倫を告白した」と表現したものがあるが、海外メディアの多くは「性的暴行の被害を訴えた」と報じている。この違いも気になっている。

 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長らが突如出てきて、「彭さんの無事をテレビ電話で確認した」と発表したときは驚いたが、すぐに納得した。今、彼らにとって何より大事なのは、来年2月の北京冬季五輪。東京五輪のときもそうだった。コロナ禍によって開催に対する日本の世論が割れる中、「緊急事態宣言が出ても開く」と幹部は言い放った。

 自由や人権を軽視する中国と「反差別」の理念を掲げながらおもねるIOC。冬季五輪を楽しむ気にはとてもなれない。

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