日々小論

  • 印刷

 新型コロナウイルスの新たな変異株が現れた。世界保健機関(WHO)は、警戒を要する変異株をギリシャ文字のアルファベット順に命名しており、新たな株は15番目の「Ο(オミクロン)」と名付けられた。

 確認順では13番目なので、本来なら「Ν(ニュー)」となるところだが、英語の「new(ニュー)」と紛らわしいので順番を飛ばしたという。

 だが、なぜかその次の「Ξ(クサイ)」も飛ばされた。

 「Ξ」は英語表記で「Xi」となり、習近平・中国国家主席の「習」の英語表記と同じである。「大国・中国に気兼ねしたのでは」と報道されている。

 WHOはその見方を否定し、あくまでも不特定多数の「Xi」さんへの配慮だと説明する。「Xiは(中国では)一般的な姓」であり、特定の個人に配慮したわけではないと。

 感染症と結びつく言葉には、排除や差別につながりかねない側面がある。そのため、WHOは疾病などの命名に「国家、文化、民族、職業などに関する不快感を生じさせない」というルールを設けているそうだ。

 トランプ前米大統領が「チャイナウイルス」と放言し、アジア系の人々への差別行動をあおったことは記憶に新しい。WHOも当初、変異が確認された国の名を用いていたが、特定の国への偏見を防ぐため途中でギリシャ文字に切り替えた。

 新型コロナは人類が団結して闘わねばならない難敵だ。足並みに乱れが生じないよう、国際機関が文字選びにも神経を使うのは当然かもしれない。

 ただ、ギリシャ文字で1番目の「アルファ株」確認は昨年9月。人間社会のあつれきやさざ波をよそに、ウイルスは目まぐるしく変異を重ねている。

日々小論の最新
もっと見る
 

天気(1月28日)

  • 10℃
  • 4℃
  • 10%

  • 6℃
  • 0℃
  • 50%

  • 11℃
  • 3℃
  • 10%

  • 9℃
  • 2℃
  • 30%

お知らせ