日々小論

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 首相の所信表明から「女性が輝く社会」「女性活躍」の文言が消えた。安倍晋三元首相が2014年の演説で掲げて以来連呼し、菅義偉前首相も引き継いだが、岸田文雄首相は就任後初の臨時国会に続き、6日開幕の臨時国会でも触れなかった。

 安倍、菅政権が発したスローガンや目玉政策の中でも「全世代型社会保障」などは残したのに対し、意図的に盛り込まなかったのは明らかだ。

 7年を経て、女性活躍推進の看板倒れは隠しようもない。

 指導的立場に占める女性割合の政府目標は先送りされ、男女格差の国際的な指標であるジェンダーギャップ指数は先進国で最低レベルに低迷する。コロナ禍による雇用悪化や、一斉休校、テレワーク導入に伴う家事・育児の負担増などの打撃を受けたのは女性だった。

 一方で、時の首相が自ら旗を振ったから進んだ面もある。

 一定規模の企業に管理職の女性比率などの目標設定と公表を義務付ける法整備や、「役員の最低1人は女性に」という要請は企業の重い腰を上げさせた。

 国の方針を受け、兵庫をはじめ多くの都道府県が、女性が活躍する企業の表彰制度を設けた。女性が進出しにくかった業種や中小の経営者が、女性の力を社業の改革に生かそうとする契機になっていると感じる。

 とはいえ、兵庫県の生産年齢人口(15~64歳)の女性有業率は全国ワースト2の65・6%(17年)で、20代女性の転出超過は拡大している。中小企業では管理部門の人材が足りず、女性社員育成のノウハウがないといった課題も指摘される。

 道半ばで看板を下ろしている場合ではない。岸田首相の仕事は、傷んだ看板に磨きをかけ、見やすく掲げ直すことだ。

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