日々小論

  • 印刷

 「セルフ精算、どうもなじめない」という投稿が、先月の本紙発言欄にあった。お店でレジに行くと店員が声を掛けてくれるが、対応はそこまで。お金は自分で機械に入れ、レシートとお釣りも出てくる。手渡ししていた頃は店員に「ありがとう」と言っていたと筆者は嘆く。

 「今では黙って店から出ていきます。なんとも味気なく、寂しい気持ちです」。全く同じ思いを抱いていたので、うなずきながら読んだ。

 子ども時分、近所の駄菓子屋に行くと、店のおばさんが「これね、はい、100万円」と値段を告げて100円のお菓子をくれた。支払いというのは単なる代金の受け渡しではなく、大切なコミュニケーションであるはずだ。今でも、居酒屋などで「3千万円」などと言われて苦笑させられることがある。

 「ありがとう」については、何年か前のテレビ番組で「関西ではお客さんの方から『ありがとう』と言う」と、面白おかしく取り上げていた。以前、ネスレ日本が実施した「日常の感謝行為」に関する調査でも、東京の女性が「(関西の飲食店でアルバイトをしたとき)お客さんも『ありがとう』ということに驚いた」と回答している。

 店員と客とのこうしたやりとりが関西ならではだとすれば、地域の文化として大切にしたいものだ。しかし新型コロナ感染対策の意味もあり、セルフレジは、関西はもちろんのこと全国各地に広がりつつある。

 人工知能(AI)やロボット技術がこれだけ発展したのだから、そのうち店先に人間型のロボットが立つ時代が来るかもしれない。「はい、100万円」と請求するように機械を設定したら、客は笑うだろうか、それとも腹を立てるだろうか。

日々小論の最新
もっと見る
 

天気(1月28日)

  • 10℃
  • 4℃
  • 10%

  • 6℃
  • 0℃
  • 50%

  • 11℃
  • 3℃
  • 10%

  • 9℃
  • 2℃
  • 30%

お知らせ