日々小論

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 沖縄を訪れるのは11年ぶりだった。飛行機が那覇空港へと徐々に高度を下げる頃、左下に名護市辺野古の海が見えた。

 米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設計画が進む辺野古。土砂投入から3年。現在は東側の大浦湾で土砂が搬入され、機上から眺める海は広い範囲で茶褐色に染まっていた。

 この海域では水面下90メートルまでマヨネーズ状の軟弱地盤の存在が明らかになった。玉城デニー知事は、防衛省の設計変更申請を不承認とした。地盤改良工事が予定通り進んだとしても、普天間の返還は2030年代まで実現しない。青天井の工費に、想定を上回る工期。これで本当に「唯一の解決策」なのか。

 翌朝、大浦湾の埋め立て現場を見下ろす高台に立った。「沖縄に生きる者にとって基地は一生の問題だ。いつまで犠牲になれというのか」。長年、移設反対運動を率いてきた山城博治さん(69)の言葉が胸に刺さる。

 午後、普天間飛行場に入った。副司令官のベアード中佐は普天間の重要性について「海抜75メートルの高台にある」「嘉手納基地の代替機能を担う」と述べた。嘉手納には4千メートル級滑走路が2本あるが、辺野古の計画は半分以下の長さで、高台でもない。嘉手納の代替機能を担えるとは思えない。中佐に問うたが「普天間を移すには(日米両政府で合意した)条件が整わねばならない」と答えるだけだった。

 来年で本土復帰から半世紀。沖縄は、日本の戦後民主主義を映す鏡だ。国民が主権者として扱われているか。基本的人権を保障されているか。地方自治の精神は守られているか。

 「沖縄は大変だね」の一言で済ませてはならない。埋められていくのは、辺野古の海だけではない。この国の未来だろう。

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