日々小論

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 昨年12月中旬、11年ぶりに訪れた那覇市の国際通りかいわいは、様変わりしていた。

 沖縄県庁に近い、通り入り口の一等地が「新型コロナ検査センター」になっていた。以前は土産品店だったような。少し歩けば、別の検査施設が数カ所ある。空き店舗も散見され、コロナ禍を実感させられる。

 国際通りから脇に入る。観光名所としても知られる「那覇市第一牧志公設市場」は、建て替えのため一時移転していた。一帯には、数年前から「せんべろ」(千円でべろべろに酔える、の意味)と呼ばれる安価な居酒屋の出店が相次いでいる。

 昭和の雰囲気が漂う、迷宮のような路地にひしめく屋台風の店は繁盛していた。客層を見ると、観光客よりもウチナーンチュ(沖縄人)が圧倒的だ。

 地元紙の知人によると、大勢の訪日外国人客が訪れた「インバウンドバブル」がはじけ、中国人富裕層ら向けの高い飲食店が次々と閉店。ほぼ同じ時期に「せんべろ」ブームが起き、地元の人たちが国際通りや周辺に戻ってきたのだという。

 外部要因に左右されやすい沖縄観光のもろさとしたたかさを感じ、帰神した。その後、沖縄でコロナ感染が爆発的に拡大した。県は米軍基地で発生したクラスターが引き金になったとみており、政府に要請したまん延防止等重点措置が適用された。

 日米地位協定が壁になり、米軍人は日本の検疫を受けないまま県内を移動する。住民に不安や不信が広がるのは当然だ。「米軍基地は沖縄の経済発展の最大の阻害要因」。亡き翁長(おなが)雄志知事の言葉を思い起こす。

 本土復帰から50年。基地のコロナが、沖縄が背負う重荷を本土の人々に可視化した。無関心であっていいはずがない。

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