日々小論

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 成人の日、晴れ着姿の新成人たちが楽しげに語らう様子を見かけた。はじけんばかりの笑顔はマスク越しにも分かる。こちらまで心が浮き立つようだ。

 若者たちの笑顔があふれるまち、それは人口減少に直面する地方の「創生」「再生」に欠かせない要素の一つだ。そして最大の難問でもある。その課題に本気で取り組んできた一人だろう。前豊岡市長の中貝宗治さんを訪ね、近況を聞いた。

 「演劇のまちづくり」や「ジェンダーギャップ解消」を掲げ、若者や女性に選ばれる地域を目指した政策展開は全国的にも注目を集めたが、昨年4月の市長選で敗れた。「突出した政策と、市民の暮らしとのギャップを埋める努力が十分でなかった」と認め、「市長の肩書を外し、市役所の建物から出て、まちの人々の中に帰る。『民』の立場からまちを支える」との言葉を残したのが印象的だった。

 言葉通り、2カ月後には一般社団法人豊岡アートアクションを立ち上げた。市民講座や舞台人を招いたシンポジウム、4月に開学した芸術文化観光専門職大学生のサポートなど多彩な企画が動きだしている。

 昨秋、演劇のまちづくりに関心を持った長野県の高校生が企画したオンライン討論会に招かれた。「政治やまちづくりの現場を知りたいという若者は少なくない。それに応えられる面白い大人が求められている」。そう語る中貝さん自身、今の立場を面白がっているようだ。

 面白さとは、こびや迎合からは生まれない。「自分の行動で世の中をどう変えられるのか、大人は何をしてきたのか」。若者の問いから逃げず、知識と経験を失敗も含めてさらけ出すことではないか。とても覚悟のいることだけれど。

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