日々小論

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 2022年になって早くも3週間近くがたつ。東大前刺傷事件など驚くようなニュースが続いているせいか、年末年始が随分前のように感じられる。

 私事で恐縮だが、正月に広島の実家に帰省し、2年ぶりに両親と顔を合わせた。勝ち気で頑固だった87歳の父親は足腰が弱り、口数も減っていた。79歳の母親は背中が丸くなっただけでなく、楽しみにしていた習い事をやめていた。覚悟はしていたものの、衰えを目の当たりにし、2人暮らしに心配が募った。

 長引くコロナ禍の影響で、加齢に伴うフレイル(虚弱)の増加が指摘される。神戸市が高齢者に実施した心身の状態を尋ねるアンケートでは、運動機能の低下やうつの傾向がみられる人が増えていた。親と離れて暮らす身としては気が気でない。

 年末年始、2年ぶりの再会を果たした親子も多いだろう。本紙「イイミミ」には、両親が住む神戸に帰省し、涙したという神奈川県の女性の話が載っていた。会員制交流サイト(SNS)では「親の急激な老いを実感した」「親のありがたさを改めてかみしめた」などとする投稿が目につく。家族の数だけ物語があった。

 コロナは、離れて暮らす親と子を引き離し、対面の機会を長期間にわたって奪い去った。一方で、その絆の大切さを再認識させてくれたとも言える。

 昨秋以降、コロナの流行は急速に収束したが、年が明けて新変異株が猛威を振るい、再び帰省が難しい状況になっている。

 「またすぐに帰ってくるけえ」。実家を離れる際、見えなくなるまで見送ってくれた母親と交わした約束である。これを果たすためにも、気兼ねなく会える日が少しでも早く戻ってくることを強く願う。

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