日々小論

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 内閣府が先月公表した選択的夫婦別姓制度を巡る世論調査に、推進派で知られる野田聖子男女共同参画担当相が疑問を投げかけた。閣僚が政府の調査を批判するのは異例だ。

 結果は「選択制を導入した方がよい」が28・9%で、前回2017年の「夫婦が希望する場合は婚姻前の姓を名乗れるように法律を改めてもよい」の42・5%から大きく減った。今回多かったのは「夫婦同姓制度を維持した上で旧姓の通称使用の法制度を設けた方がよい」の42・2%。「同姓制度を維持した方がよい」は27・0%だった。

 選択制賛成派が激減したように見えるが、質問の仕方や選択肢の順番が前回までと異なり、単純に比較はできない。野田氏は設問を作った法務省に「分かりにくい」などと事前に修正を求めたが押し切られたという。

 こうした調査は国民意識の推移を知るために連続性が重視される。なぜ設問を変えたのか、選択制に反対する自民党保守層に配慮して容認派を少なく見せる意図では-。そんな疑いを持たれること自体、調査の信頼性を損ねる。野田氏の問題提起は当然だろう。

 ただ、どんなに設問を変えようと変化する意識は後戻りしない。前回と比較可能な項目を素直に読めばそれが感じられる。

 改姓による不便や不利益があると答えた人は52・1%(前回46・7%)に、通称使用だけでは対処しきれないとした人は59・3%(同41・2%)に達した。選択制が法制化されれば別姓を希望する人は30・4%(同19・8%)に増えた。将来を担う若い世代や実際に不利益を被っている女性にその割合が高い。

 当事者のニーズを見誤らず、政策に生かせるか。試されているのは政治の読解力だ。

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