日々小論

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 草木もえる季節。街中では新入生や新社会人たちのまぶしい姿が目に入る。新型コロナウイルス下で3度目の春を迎え、リモートの授業や会議が定着しつつある中、期待より緊張や不安の方が大きいかもしれない。少なくない先輩たちが、そのスタートを見守っていることはお伝えしたい。

 この春、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた。明治以来の大転換期である。高校生を含む18歳以上が、成人として保護者の同意なしに1人で契約が結べるようになった。消費者庁は、定期購入や美容医療、マルチ商法や暗号資産といった注意すべき契約事例を挙げるが、これらは20歳以上でもトラブルが多い内容だ。

 住まいの賃貸借に電話、保険…。自身の責任で契約できることにより、大きな一歩を踏み出せる新成人もいるだろう。ただ、多くの懸念も浮上している。

 悪質な業者や人物は、社会経験や知識の乏しい新成人らに狙いを定める。知らないうちに高額な契約となって多額の債務を負ったり、言葉巧みに望まない労働契約を結ばされたり。アダルトビデオへの出演強要なども危惧されている。

 残念ながら、若者の金銭や労働力、性を不当に搾取しようとする利己的な人たちはあらゆる場に存在する。彼らから身を守るため、未成年のうちに消費や労働に関する教育を充実させる必要がある。被害防止の仕組みづくりも欠かせない。

 だが本当の課題は、人権をも軽んじたあくどい、異様なやり口にある。大人がなすべきは、新たな一歩を踏み出した人たちに被害に遭わないよう注意を促すだけでなく、搾取を助長する理不尽な社会構造をただすことだろう。

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