日々小論

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 コロナ禍は祈りの風景にも変化をもたらしているようだ。世界で最もイスラム教徒の多い国インドネシアで今年2月、ある決定が下された。

 毎日新聞の記事によると、モスク(礼拝所)に設置された屋外スピーカーの最大音量が、従来より小さめの100デシベルに定められた。「頭痛がするほどの大音量だったので歓迎」「伝統的なあり方を変えるべきではない」などと賛否両論あるという。

 20代の頃、バックパックを背負ってマレーシアを旅行中、早朝の割れるようなスピーカー音に飛び起きたことがある。モスクから流れるのは、礼拝の時間を街中に告げる「アザーン」。確かに大音量だった。

 前出の記事によれば、インドネシア宗教省は音量制限について「多様なインドネシアの平和や秩序、社会調和のための努力」と説明している。どうやら、コロナの感染拡大で在宅勤務が増えている状況と無関係ではなさそうだ。

 モスクのスピーカーといえば、神戸市に本社を置く音響機器メーカーのTOA(ティーオーエー)が世界的に高いシェアを持つ。インドネシアの首都ジャカルタに工場があり、同国ではTOAの旧社名にちなんで「トーア」がスピーカーの代名詞になっている。

 コロナ下で過去2年間は販売に苦戦したが、現在は上向きつつあるという。「音量を絞っても遠くまではっきり伝わるのが当社製品の特長」と担当者。何でも、屋内用は聖職者の声を神々しく響かせる設計らしい。

 現在、イスラム圏はラマダン(断食月)のまっ最中。今年はコロナ規制が緩和され、日没後の食事を大勢で楽しんでいる国もあると聞く。かけがえのない日常の大切さとはかなさを、かみしめている人は多いだろう。

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