日々小論

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 牛丼チェーン大手、吉野家の常務が女性の人権を無視した発言で解任された。紙面で報じている内容なので繰り返しは避ける。東京五輪・パラリンピック関係者らの発言によって起きた騒動も記憶に新しい。

 それにしても、こうした不適切な発言が後を絶たないのはなぜだろうか。「#駄言辞典」(日経BP刊)という本に出合った。駄言は「だげん」と読む。

 「『女はビジネスに向かない』のような思い込みによる発言。特に性別に基づくものが多い」とその意味を解説する。「相手の能力や個性を考えないステレオタイプな発言だが、言った当人には悪気がないことも多い」と続く。問題の所在が当の本人に分からなければ、改まるはずもなかろう。

 この辞典は、日本経済新聞と日経BPが「駄言」にまつわるエピソードを募集し、まとめて出版したものだ。手に取り読み進めてみた。「こんな発言をいまだにする人がいるの? 信じられないな」と、したり顔をしている自分がいる。

 さらにページをめくっていくと「あれ、ちょっと待てよ、あれれ、あのとき…」と平気な顔で口にしていたのを思い出し、赤面した。駄言のエピソードには、言われた側がツッコミを入れている。受け手の本音を知り、さらに恥じ入った。

 言ってしまったときは「潔く、誠心誠意、謝る」とある。「同じ過ちを繰り返さない」とも。ステレオタイプな発言は不勉強だから、との見方も紹介している。歴史や社会の構造、変化を知り、理解することで思い込みを更新した方がよさそうだ。

 辞典の表紙では「早く絶版になってほしい」と自らうたう。この「絶版」が先か、自身の退場が先か。

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