日々小論

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 先日、元阪神タイガース投手の仲田幸司さん(57)と食事を共にする機会があった。本土復帰50年を迎えた故郷・沖縄への思いを聞くことができた。

 米軍将校の父親と日本人の母親との間に米国で生まれた。米国名、マイケル・フィリップ・ピーターソン。愛称の「マイク」は、ここから来ている。

 その後、父が沖縄に転属し、一家は嘉手納基地内で暮らす。「フェンスに囲まれて育ったけど、欲しい物は大抵そろってたね」。しかし5歳の頃、両親が離婚。小学1年生までは基地内のアメリカン・スクールに通ったが、その頃に母が沖縄出身の男性と再婚した。継父の姓が「仲田」だった。

 基地を出て、那覇市内の小学校に転入する。くしくも1972年、「アメリカ世(ゆー)」から「大和世(ゆー)」に変わった年だ。

 「基地の外の世界はほとんど知らんから。ハーフやから『ガイジン、ガイジン』っていじめられてね。反米感情もあったんかな。登校拒否になって」

 沖縄に重くのしかかる基地の存在に、複雑な思いを抱くようになった。そんな中、友人から野球に誘われる。「自分をいじめた人たちを見返したろうと。グラウンドでは平等やから」

 覚悟を胸に、野球に打ち込んだ。その後の活躍は周知の通りだ。興南高校では投手として3季連続甲子園に出場。阪神に入団し、92年には14勝を挙げて優勝争いをけん引し、最多奪三振のタイトルも獲得した。

 引退後は苦しい日々もあった。現在は阪神OBが営む建設会社で現場監督として働く傍ら、社会人野球チームの投手コーチも務める。「いつか母校の指導もしてみたい」。波瀾(はらん)万丈の半世紀。目を輝かせるウチナーンチュが、ここにもいる。

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