日々小論

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 小学生のときに滋賀県から千葉県へ転校し、学校生活で驚いたことの一つが避難訓練の違いだった。

 どちらも火事に備えての訓練だが、千葉では地震による火災を想定していた。非常ベルが鳴ると机の下に潜り、先生の合図で、座布団と兼用の防災頭巾をかぶって外へ出る。そろいの黄色い頭巾が校庭にずらりと並んだ光景に、目を丸くした記憶がある。

 ところ変わって、米国の学校も避難訓練を行っている。近年では銃乱射に備えた訓練が増えていて、驚きを通り越して暗澹(あんたん)たる気持ちになる。「スクールシューター・ドリル」などと呼ばれ、多くの州で義務化されている。

 5月にテキサス州の小学校で起きた乱射事件では、児童19人と教員ら2人が殺された。米疾病対策センター(CDC)によると、2020年の米国における19歳以下の死因の第1位は銃を使った殺人と自殺で、自動車事故やがんを初めて上回った。

 相次ぐ銃乱射に、学校の訓練手法が改めて議論になっているようだ。こんな訓練事例がある。授業中、予告なしに非常ベルが鳴り、何者かが教室のドアノブをがちゃがちゃ回す。疑似発砲音が響く中、子どもたちは隠れたり、逃げたりする。

 当然ながら、子どもへの心理的な悪影響を懸念する声は根強い。一方、学校や教育行政には安全確保へのプレッシャーが重くのしかかる。

 少し前、刃物を持った不審者を想定して刺股で訓練する日本の学校の例が、「治安のいい国なのに」と驚きを持って海外メディアに報じられた。国は違えど、悪意ある人間から子どもを守るための取り組みが続く教育現場の現実である。

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