日々小論

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 韓国では今、空前の本屋ブームが起きているらしい。個性的な書店が続々と誕生し、若者らが「街の本屋」巡りにいそしんでいるという。日本の現状を思うとにわかに信じ難い話だが、ハン・ミファ著「韓国の『街の本屋』の生存探究」(クオン刊)という本で最近知った。

 読書人口の減少やオンライン書店の普及で、人々が実店舗に足を運ばなくなったという事情は韓国も同じ。新たな潮流が生まれてきたのは2010年前後からだ。他分野の企業家や芸能人、アーティストらも書店経営に乗り出し、「自分自身にとって必要な本屋、行きたいと思える本屋」をつくり始めた。

 例えば、ソウルにある書店「ブックティーク」の書架はスカスカ。代わりにステージを備え、講演会や読書会に力を入れる。自然豊かな槐山(ケサン)郡の「森の中の小さな本屋」は、民宿を併設した家庭的な店だ。海辺の町・束草(ソクチョ)の本屋では、潮風の中で旅人が読書ざんまい。店名を「完璧な日々」という。

 「ブックティーク」のパク・ジョンウォン代表は言う。「多くの本を並べるより、別のものと結びつけて、まずは店に足を向けさせる。本に関わる経験を創出し、非読者が読者になれば、また新たな読者発掘の好循環が生まれる」と。デジタル時代になり、読書家が少数派になったからこそ、本屋に行くことが特別で、しゃれた行為になったのかもしれない。

 書店数は減少の一途をたどる日本だが、地域の文化拠点の役割を担う街の本屋は各地に多く残っている。音楽やファッションで韓流ブームが起きたように、本屋巡りも流行してほしい。そして願わくは、新聞の非読者が読者になってくれるという好循環にもつながれば…。

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