日曜小論

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 来年100歳を迎える中曽根康弘氏と言えば、首相在任中に、レーガン米大統領(当時)と親密な関係を築いたことで知られる。13年前にあったレーガン氏の国葬の際には、特派大使として駆け付け、棺(ひつぎ)に手を合わせた。

 「大親分というに相応(ふさわ)しい、柄の大きな大統領でした。細かいことにあまりくよくよしない。大局をあやまたずに、しっかりと捉えられる政治家でした」

 レーガン氏の魅力について中曽根氏は自著「自省録」(新潮社)でこう振り返る。

 ユーモアが難局を乗り切る力になっていた、とも述べている。就任2カ月後の1981年3月、ワシントンで銃撃され、瀕死(ひんし)の状態のまま搬送された病院で「みんな共和党員だろうな」と医師団に問い掛けたジョークは有名だ。多くの人に慕われる大統領だった。

 そのレーガン氏を意識しているともされるトランプ米大統領が先週来日した。会談やゴルフなどを通じ、安倍晋三首相との蜜月ぶりを強くアピールして去っていった。

 首相は、トランプ氏が大統領選に勝利するといち早く訪米し、外国の首脳として初めて会談した。これまでの首脳会談は5回を数え、電話会談も頻繁に重ねた。積極的に接近し、「親友」の座を得た。

 トップ同士が親しくなることは両国にとって大きな意義がある。だが、その相手がトランプ氏であることに、どうしても不安が募ってしまう。

 「自国第一主義」を掲げ、「ディール(取引)」を得意とする。地球温暖化対策のパリ協定からの離脱を表明したり、イラン核合意を反故(ほご)にするような発言をしたりして、世界を混乱に陥れている人物だからである。

 レーガン氏は、さまざまな評価があるものの、友人としての振る舞いを知る国際社会のリーダーだった。

 首相の次の仕事は、そんな指導者になるよう、親友に忠告することではないか。

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