日曜小論

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 日本で働く人の約半数の仕事は、やがて人工知能(AI)に置き換えられる。こんな調査結果が紙面に掲載されたのは昨年の三が日だ。

 例に挙がったのは一般事務員や運転手などだが、残念ながら新聞記者の仕事も例外とはいえそうにない。

 スポーツの結果や催し物の案内など、パターンが決まった短い記事ならAIでもできそうだ。決して夢物語ではなく、企業の決算発表をAIで記事化し数分後にインターネットで配信するサービスは、すでに存在する。

 弁護士や医師といった専門職まで、徐々に浸食されていくとみられる。そこでAIが対抗できないような、クリエーティブ(創造的)で感性を生かす仕事を目指しましょう…というのが、ありがちな結論になる。

 しかしこれには異議を唱えたい。果たして、ヒトはそんなに賢いか。

 どの分野でも、最初からスーパープレーができる天才は少数にすぎない。AIでもできるような作業を地道にこなす中でノウハウやスピードを会得し、自分の適性を知って次の段階へと進む。

 その積み重ねの中で、仕事に対する創造性や感性も養われてくる。記者の仕事も、最初は簡単な原稿からだ。瞬く間に進歩するAIと比べれば、まるで昔のドラマのせりふにあった「ドジでのろまな亀」に等しい。

 AIの進出の場が広がることは、創造性や感性を養う道が狭まることにもつながる。そもそも、誰もが感性で食えるわけでもない。ではヒトはいかに生きるか。

 「シンギュラリティ」という概念がある。ある時点で人類の知能を超える究極のAIが出現する、という意味だ。2045年とされている。

 あと30年足らず。早くこの目で見てみたい、などといえるのはよほどの自信家に違いない。クリエーティブでなく感性に乏しい亀、いや、ヒトの一人としてそう思う。

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