日曜小論

  • 印刷

 東日本大震災後、普及が進む自然エネルギー。兵庫では太陽光発電や間伐材などを燃やす木質バイオマスが活発化している。一方で、小水力や風力など伸びしろの大きい未利用資源も少なくない。

 バイオガスもその一つだ。農業から食品加工、レストラン、家庭まで食の現場で必ず発生する有機物のごみを発酵させてできる。

 そんな眠れるエネルギー資源が集積する地域がある。神戸市東部。灘五郷の酒、神戸港に入る農産物の倉庫や製油、製粉施設、スイーツなど食関連産業が集まる。神戸ならではのエリアだ。市の東灘処理場では下水汚泥から生産したガスを利用している。

 バイオガス事業は畜産でもふん尿を原料に行っているが、カロリーの高いスイーツなど食品廃棄物から生じるガスの量はその数十倍、数百倍にもなるという。人の営みがある限り生じる無尽蔵の資源といえる。ただごみとして処分するのはもったいない。

 エネルギーの地産地消にも適する。食品産業はお湯や熱を大量に使う。生産地でできたガスを熱利用するのが最も無駄がない方法だ。

 バイオガスは循環型社会の鍵を握る技術でもある。神戸のまちづくりやブランドの発信にも貢献するだろう。

 そうした資源に囲まれたメリットを生かせる企業の一つが、神戸製鋼所だ。コープこうべの食品工場やあべのハルカスでも子会社がバイオガス事業を手掛ける実績を持つ。

 一方で、神鋼が増設を進める石炭火力発電は、地球温暖化の要因として廃絶宣言する国が増えている。リスクが高いとみて、投資を引き上げる動きも強まっている。石炭火力を扱う企業への世界の視線は一層厳しさを増すだろう。本当に進めるべきか、経営判断が問われている。

 神戸の名を冠する企業として先人から受け継いできた地域資源に目を向け、新しい魅力の創造を担う。そんな選択もあるのではないか。

日曜小論の最新

天気(8月20日)

  • 31℃
  • ---℃
  • 20%

  • 32℃
  • ---℃
  • 20%

  • 33℃
  • ---℃
  • 20%

  • 32℃
  • ---℃
  • 30%

お知らせ