日曜小論

  • 印刷

 「遠いところを、わざわざありがとうございます」

 演劇や囲碁将棋の担当をしていると、大阪市内で取材をする機会が多く、時々このようなねぎらいの言葉を頂く。ありがたいことだし、あいさつの一つと分かってはいるが、たまに考えてしまう。

 大阪と神戸、そんなに遠いだろうか。

 JRの新快速なら大阪-三ノ宮間は二十数分。難波までだと乗り換え、徒歩移動も含めて1時間少々。近い…とは言えないが「遠くに来たなあ」というほどの感慨はない。

 でも、反対側から見ると違うのかもしれない。大阪のある劇団が神戸で公演をした時のこと。劇団のホームページには、大阪駅から会場までの道筋が写真入りで丁寧に紹介されていた。神戸に限らず、地元以外で公演を打つ劇団ではよくある話なのだが、大阪の人にとって神戸はあまり足を運ぶことのない土地である、という事実を突きつけられたようにも感じた。

 その昔、大阪の女の子がつぶやいた言葉を思い出す。「神戸に行くのって、なんか気合入れんと…っていう気になるねん」。オシャレでハイカラな神戸。そのブランドイメージが時に、気軽に訪れるのをためらわせる精神的な障壁になるのかもしれない。

 関西経済をけん引する訪日外国人客(インバウンド)の数で、兵庫は大阪、京都に水をあけられているという。確かに今、大阪はすごい。難波の繁華街を歩けば、道行く人々の会話は中国語や韓国語などの外国語ばかり。日本語の方が珍しいぐらいだ。

 物理的に離れているわけではない神戸に大阪から回遊する外国人客が増えないのは、大阪からの「精神的な遠さ」にも一因があるように思えてならない。オシャレさから下町情緒まで、神戸というまちの魅力をもっと多角的に伝える必要があるのではないか。元町の高架下をぶらつけば、同じ関西、気張る必要はないとすぐ分かるはずだから。

日曜小論の最新

天気(9月27日)

  • 27℃
  • 21℃
  • 20%

  • 23℃
  • 19℃
  • 60%

  • 26℃
  • 21℃
  • 10%

  • 26℃
  • 21℃
  • 30%

お知らせ