日曜小論

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 「私たちは絶滅に差し掛かっている」。国連本部の気候行動サミット。地球温暖化対策を訴える世界の若者たちの声に、大人への不信任宣言を突きつけられた思いだった。あなたたちに地球の未来を任せてはおけないと。

 今まで通りエネルギーを消費し、ごみや温暖化ガスを排出する生活は近い将来、立ちゆかなくなると頭で分かっている。それでも便利な生活から抜け出す気がない大人の浅はかさを、真っすぐなまなざしは見透かしていた。

 大事なのは行動すること。改めてそう気付かされる市民参加型イベント「Okuri-mono(オクリモノ)」が今夏、たつの市であった。

 広場に漂うカレーの匂い。大鍋から湯気が立っている。食材は地元農家や企業から提供を受けた。調理を手伝う来場者もいる。自分ができることで協力するのがこのイベントの特徴の一つだった。

 バンド演奏の中、カレーが振る舞われる。マイ皿、マイスプーンも環境のためにできること。バザーや遊びコーナーもすべて0円。通貨は「ありがとう」の言葉だ。

 ギフトエコノミー(贈与経済)。持っているものを贈り合い、やれることでお返しすれば、巡り巡って社会を豊かにするという仕組みの実践だ。主催したのは子ども食堂の運営などに携わる市民団体。宮崎宏興代表(46)は「誰かのためにできること、それが価値になることを知ってほしい」と話す。

 お金を出せば事は簡単に運ぶが、この取り組みはお金を介さずに行動することでもっと生活を良くできる可能性を提案する。環境を守る大切さも自然に視野に入る。私たちは価値を生み出せる社会の一員であって、資源を使い尽くすだけの消費者ではない。若者の声に奮起し、一歩を踏み出したい。

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