論ひょうご

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 「地球を守れ」。全米各地の自治体が、トランプ政権に異議を申し立てたニュースを記憶の読者も多いだろう。

 大統領が地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」を離脱したことに、抗議の輪が広がった。カリフォルニア州やニューヨーク州などは「米気候連合」を結成し、温室効果ガスの削減目標達成に向け、努力することを表明した。

 ロサンゼルスやボストン、シアトル、さらに地方の小さな市の市長約120人は、州知事や大学学長、企業人らとともに声明文を発表した。

 「米政権に指導力はない。温室効果ガス削減で米国が世界のリーダーであることを保証するため、(われわれは)目標を追求する」

 トランプ氏の就任以来、米国はどこへ向かうのかと思わせるニュースが次々と届く。その中で実感させられるのは、自分たちの信念や憲法の理念を貫こうとする地方の力強さだ。とんでもない法律や教育方針を掲げる自治体もあるものの、揺るがぬ地方政府の独立性に米国の精神を見る。

 まさに「合衆国」である。

 日本は制度が違うとはいえ、地方自治法は国と地方の関係を「上下・主従」から「対等・協力」に改めた。

 「すべて国の意向で決められるようなら、地方自治は死ぬ」。基地問題で、政府と対立する沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事の言葉だ。

 先日、兵庫や首都圏の行政マンと話していると、こんな声が上がった。「国が動けないのなら、各市町で条例をつくって世界水準の対策の取り組みを全国で増やしていけばいい」。何の対策かと言えば、受動喫煙の防止である。

 世界保健機関(WHO)によると日本の対策は最低ランクだ。先の国会では、厚生労働省が対策強化の法案提出を目指したが、自民党のたばこ議員連盟の反対で先送りとなった。

 五輪の開催国は屋内を全面禁煙とする対策を講じるのが、新たな「伝統」だ。「共謀罪」法を巡る安倍晋三首相の訴えを借りれば、「防止の取り組みを進めなければ、恥ずかしくて東京五輪、パラリンピックが開けないと言っても過言ではない」事態である。

 各地の取り組みが、列島の地図を染めていく光景を思い浮かべる。日本でも、政権の指導力に疑問符を付ける地方の声が大きくなってきたと感じる。

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