論ひょうご

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 深夜、布団の中でラジオ番組を聴き、翌日の学校でそれを話題にする。FM放送で音楽をエアチェック(録音)し、友達と楽しむ。40代以上の中にはそうした思い出を持つ人が少なくないだろう。

 ラジオの歴史は長く、NHKは1925(大正14)年に放送を始めた。民放は51(昭和26)年からで、ラジオ関西(創立当時は神戸放送)も翌52年に開局している。60年代から若者が「ラジカセ」を持ち始め、70~80年代にかけて深夜放送が人気を集めていった。

 だが、それ以降は厳しい時代に入る。ラジオの広告費は91年をピークに半減し、新聞などと同じく若者離れが激しい。昨年の全国個人視聴率調査では、1日当たりの聴取時間(週平均)は70歳以上の女性で1時間を超えたが、30代より若い人は10分以下と答えた。

 そのラジオが近年、大きな変化を見せている。

 一つは、インターネットを通じた配信サービス「radiko.jp(ラジコ)」。2010年に始まり、パソコンやスマートフォンで放送エリア内のラジオが聴けるようになった。14年に全国の放送が有料で楽しめるエリアフリー機能、昨年には過去1週間分が聴けるタイムフリー機能が備わった。会員制交流サイト(SNS)で番組のシェア(共有)もできる。

 ラジコは月平均で約1200万人が利用しているといい、昨年のラジオ広告費も前年比2・5%増と好調に推移した。

 もう一つは、AM局がFM波を送信する取り組みだ。AM波が届きにくい場所でもクリアに聴ける「FM補完放送(ワイドFM)」を行う局が全国で拡大。関西では在阪AM3局が昨年開始した。

 ワイドFMは難聴対策とともに災害時への備えにもなるが、AMに加えてFMの送信費用もかかるため、放送局の負担増などが課題だという。「費用面から導入を見送る地方局もあるのでは」とみる放送関係者もいる。また、従来のラジオでは聴けず、ワイドFM対応(90~95メガヘルツ)の受信機の普及を進める必要もある。

 話し手のそばで聴くような親近感、他のリスナーと同じ時間を過ごす共有感は、ラジオというメディアならではのものだろう。今後は放送とネットとの融合がさらに進むと予想されるが、スマホで自由に選んで聞く時代にあっても、ラジオが長年培ってきた良き放送文化は残していきたい。

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