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 日本人初の9秒台突入が期待される陸上男子100メートルが活況だ。夏の世界選手権代表を懸けた6月の日本選手権は、サニブラウン・ハキーム選手(東京陸協)と多田修平選手(関西学院大)の新鋭2人が、リオデジャネイロ五輪代表の3人に先着する激戦だった。日本陸連関係者も「相乗効果でレベルが上がっている」と手応えを感じている。

 日本選手権は、決勝までのすべてを10秒0台で走ったサニブラウン選手が際立った。一方で準決勝、決勝で同組だった多田選手が、いずれも鋭い出足で中盤まで先行したのが強く印象に残った。

 大学3年の多田選手は、関西では名が知られていたが、6月の日本学生個人選手権で追い風参考ながら9秒94で走り、一躍全国の注目を集めた。100メートル現日本記録保持者で日本陸連強化委員長の伊東浩司さん(神戸市北区出身)は、1年の頃から「脚の回転が速い」と目をつけていたという。

 大阪府東大阪市出身で地元関西の大学で鍛える多田選手。そのスタイルは、夢野台高から同志社大学に進み、100メートルで日本新記録を樹立するなど活躍した朝原宣治さんとも共通点がある。

 多田選手の持ち味は「トップ選手を上回る脚の回転の速さ」だ。ただ、高校時代は効率よく推進力に変えることができなかったという。大学に入って急速に素質が開花し、1年時には高校時代の自己記録を0秒23も縮め10秒27で走るなど、大きく成長した。

 今年2月には、米国テキサスでの合宿に参加した。前世界記録保持者のパウエル選手(ジャマイカ)らとともに練習し、指摘されたフォームや脚の運びの無駄などの改良にも取り組んだ。

 4月の織田記念では桐生祥秀選手(東洋大)に競り負けた。「力の差を見せつけられた」と脱帽したが、5月の大会では、リオ五輪銀メダルのガトリン選手(米国)に一時先行し、会場をどよめかせた。米国で受けた指摘に自分の考えを加えて改善したことで、出足の鋭さが増した。

 「9秒台は僕の中でも近いと思う」と話す多田選手。その様子を見ると、1998年から伊東さんが持つ10秒00を塗り替える日も遠くないと感じる。

 「伊東から多田へ」-。兵庫ゆかりの選手で日本新記録が受け継がれる瞬間を、早く見たいと願っている。

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