論ひょうご

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 東京パラリンピックの開幕まで3年。2年前に設立された東京・赤坂の「日本財団パラリンピックサポートセンター」(パラサポ)を訪ねた。スタジアムをイメージした開放的な半円状の空間に、25の競技団体が共同オフィスを構える。フリースペースでは選手やスタッフが競技の垣根を越えて議論を交わしている。その中に、兵庫ゆかりの人たちの姿もあった。

 パラサポ職員の山本恵理さん(34)は神戸市出身。プロジェクトリーダーとしてパラリンピックの普及啓発に携わりつつ、パワーリフティング女子50キロ級日本代表として東京パラ出場を目指す。

 生まれつき下半身が不自由な山本さんが「情熱の原点」と話すのは、9歳で入門した地元の障害者水泳クラブ「神戸楽泳会」での経験だ。障害者スポーツへの理解が今ほどない中で、仕事と競技を両立し、国際大会で活躍する先輩たちの姿に「自立する強さを植え付けられた」という。けがで水泳選手は断念したが、選手を支える仕事がしたいとカナダに留学、障害者スポーツを専門的に学んだ。

 パワーリフティングを本格的に始めて1年。順調に記録を伸ばし、最近自信がついてきた。「支えられるだけでなく、アスリートとしてファンを楽しませる存在でありたい」と仕事に、トレーニングに励む。

 同じくプロジェクトリーダーを務める西宮市出身の伊吹祐輔さん(37)は、脊椎側湾症のため下半身が不自由だ。

 子どものころに見た車いすバスケットボールの格好良さに夢中になり、関学大生時代には車いすバスケの学生団体を立ち上げた。

 東京で就職したが、「パラスポーツの魅力を伝えたい」とパラサポ開設とともに退社し、スタッフに。障害者と健常者が共に楽しめる各種競技の体験会開催などに取り組んでいる。「車いすが使える体育館が少ないなど課題は多い。東京パラをブームに終わらせず、障害の有無にかかわらず誰でもスポーツを楽しめる環境整備につなげたい」と先を見据える。

 兵庫で育った2人の情熱の根っこに子ども時代の出会いがあることに注目したい。パラスポーツは運動が苦手な人も高齢者も楽しめ、新たな能力や意欲を引き出してくれる。パラスポーツが身近にある社会をどうつくるのか。東京五輪を各地で盛り上げる鍵もそこにあるような気がする。

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