論ひょうご

  • 印刷

 世界文化遺産・国宝姫路城に来られた方にお薦めのビューポイントがある。城の東側にある姫路市立美術館前だ。同館は旧陸軍の兵器庫と被服庫を保存活用した建物で、赤れんがの景観と大天守のコントラストは一見の価値がある。

 美術館北側には故丹下健三氏が基本設計した兵庫県立歴史博物館がある。姫路城をイメージし、壁は石垣を表している。このあたりを散策していると、東京支社勤務時代によく訪れた上野恩賜公園を思い出す。世界文化遺産・国立西洋美術館から東京国立博物館へと続くルート。豊かな緑と重厚な建物が文化の薫りを感じさせる。

 歴史博物館から西へ約1キロ歩くと、昨年7月にリニューアルオープンした市立姫路文学館がある。安藤忠雄氏が設計し、城を借景に回遊し文学と対話する空間としてデザインされている。城を訪れる観光客にこの3館をもっとアピールできないだろうか。

 姫路市の観光面での課題は宿泊客が少ないことだ。観光客は姫路城だけを見て、他都市へ移動してしまう。課題解決の参考になればと、播磨政経懇話会(事務局・神戸新聞姫路支社)の7月例会では在日歴約30年で外国人観光客誘致を支援するルース・マリー・ジャーマンさんを講師に招いた。

 日本を訪れる外国人観光客は2013年に初めて1千万人を突破し、30年には8千万人を超えるとの予想がある。日本にはそれだけの潜在力がある。京都や東京に集中する外国人もいずれ地方都市に拡散していくだろう。その際に重要なのが英語での分かりやすい説明だと、ルースさんは指摘する。おいしい地酒もラベルが読めない外国人には分からない。

 そして宿泊客を増やすためのキーワードは「夜と朝のイベント」だという。城周辺の朝のウオーキングをPRし、夜の楽しい遊び場の紹介とセットにすれば滞在客が増えるのではないか、と。

 例えば夜は美術館前の芝生広場で、ライトアップされた大天守をバックに地酒を味わう。昼間は3館を周遊し、各館のレストランで限定メニューを楽しむ。移動手段としてはループバスや、JR姫路駅前など16カ所で自転車を借りて返却できる「姫ちゃり」もある。

 姫路市内ではホテルの建設ラッシュが続いており、この1年で客室数は約千室増えるという。官民が協力して、「脱日帰り」に向けた取り組みを進めたい。

論ひょうごの最新

天気(9月25日)

  • 27℃
  • 20℃
  • 10%

  • 27℃
  • 15℃
  • 10%

  • 30℃
  • 19℃
  • 0%

  • 30℃
  • 17℃
  • 10%

お知らせ