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 淡路島で「住んでいる地域に愛着や誇りを感じる」という人が増えてきた。兵庫県が毎年夏から秋にかけて実施する県民意識調査によると、2014年度、地域に愛着や誇りを抱く人の割合は、前年度の54・6%から62・7%に上昇した。15、16年度も70%弱を維持している。

 この間、何があったのか。

 例えば15年には、南あわじ市の松帆地区で採取された砂から、弥生時代の銅鐸(どうたく)7個が見つかった。全てが音を鳴らすための振り子「舌(ぜつ)」を伴い、舌を銅鐸につるすために使ったとみられる紐(ひも)も確認された。初期の銅鐸は音を鳴らす祭器-との説を、初めて具体的に裏付ける大発見だった。

 この「松帆銅鐸」を含む文化財31点を交えて展開したストーリー「国生みの島・淡路」は16年、文化庁の日本遺産に認定された。

 また、三熊山の麓に城下町のたたずまいを残す洲本市街では、古民家群を再生した路地「レトロこみち」が人気を集める。最近も雑貨店や陶芸工房がオープンした。

 いずれの事例も、地域の歴史を住民に再認識させたことは想像に難くない。

 淡路県民局の分析はこうだ。

 住民意識の変化が始まった14年度は、明石海峡大橋の普通車通行料金が、自動料金収受システム(ETC)利用なら900円に値下げされた年である。落語家の桂文枝さんが「淡路島名誉大使」に就任し、淡路がテレビで取り上げられる機会が増えた。

 そして「淡路島ぬーどる」「淡路島牛丼」「生しらす丼」「生サワラ丼」など、地元が特産の食材を生かして開発したご当地グルメにスポットが当たる。

 これが、ふるさとの良さを改めて住民にアピールする結果になったのではないか-。

 かつて淡路には、国が「ふるさと創生」の名を冠して自治体に配った1億円で金塊をレンタルし、展示した町長さんがいた。バブルの頃にはリゾート施設として、シャチやクジラの泳ぐ人工海水湖が構想されたこともあった。ユニークな発想は話題を呼び、途方もないアイデアは人々を驚かせた。

 一方、最近の淡路の人たちは足元に目を向けるようになってきた。淡路ならではの良さをしっかりと認識し始めた。県民調査に見られる意識の変化は、地に足の着いた、息の長い地域づくりの原動力となるに違いない。

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