正平調

時計2017/05/10

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先ごろ、今年初めての黄砂が大陸から飛んできた。観測史上最も遅い。兵庫は視界がぼんやり煙ったが、九州では空が黄色っぽく見えたところもあった◆〈真円(まんまる)き夕日霾(つちふる)なかに落つ〉中村汀女。黄砂などを指す「つちふる」は春の季語だが、最近はアレルギーとの関連が疑われ、マスク着用が呼びかけられる。風物詩として語るのはちょっと心苦しい◆砂のふるさとをたどる。その一つ、黄河上流の黄土高原には古代水路「鄭国渠(ていこくきょ)」が残るそうだ。秦(しん)の始皇帝のころ、鄭国という人が造ったかんがい施設である。乾いた大地は潤い、秦を屈指の強国に押し上げた◆鄭国は、隣の国のスパイだったとも伝えられる。難工事で国力を消耗させようとしたが、露見した。「水路は必ず役に立つ」と訴え、どうにか死罪を免れたらしい◆だれであれ才ある人を使うべき、そう始皇帝に進言した臣下の言葉が残っている。「河海(かかい)は細流を択(えら)ばず」。黄河は、小さな川が多く流れ込むから豊かなのです。人を選ばず、よりたくさんの知恵を集めることこそ千年先を見据えた国づくりでしょうと◆黄土高原をはじめ砂漠化が進んだ中国では、黄砂の害がとどまるところをしらない。わが国も人ごとではないだろう。ここにも千年の計が要る。2017・5・10

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