正平調

時計2017/05/15

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〈百歳の姉は私の宝もの〉。神戸のベテラン川柳作家、島村美津子さんから小さな句集が届いた。「姉ちゃんは百歳」と題し、20句足らずが収めてある◆〈天の月地上の自分ほめて寝る〉。86歳の島村さんは100歳になる姉の絹恵さんと2人暮らし。同じ時期に夫を亡くし、同居を始めて17年になる。悲苦を乗り越え、支え合う姿が浮かぶ◆〈はじめての険しい道を先に行く姉〉。今は介護し、介護される立場ながら、句にあふれるのは姉への尊敬と感謝、そしていたわりだ。「老老介護」などという類型的で冷たい言葉ではくくれない◆〈明かり消し誰にともなくありがとう〉。句集は、最近体調を崩した絹恵さんを励ますために作り、身近な人に配った。たった一人の大切な姉に向けた言葉が、読む者の胸に何と深く響くことか◆〈戦争しない黄色い旗を振っている〉。終戦時、島村さんは14歳。惨禍を繰り返すまいと固く誓って戦後を生き、今なお反戦の句を詠む。戦争を知る世代の怒りもにじむ◆〈いいんだよ何度も同じこと聞いて〉。戦争体験者の声に反し、平和の憲法に手を加えるのなら、よほど丁寧な説明が要る。大仰な議論でなく、大切な誰かに語るように。何度も言葉を尽くし、届くまで。そんな思いにさせられる。2017・5・15

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