正平調

時計2017/12/01

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師走。谷川俊太郎さんの「十二月十五日」という詩を引く。〈僕はこの日に出現したとされていると/戸籍課の依田さんは言います/ありがとう依田さん/おめでとう僕/誰か何かくれ〉◆谷川さんが役所で誕生日を確かめ、この日ですと〈依田さん〉が教えてくれた…。ほほえましい情景が目に浮かぶようである。戸籍あり、ゆえにわれあり。戸籍は、わが存在を証明する一つのよりどころだろう◆ならば無戸籍の生きづらさはどれほどか。例えば夫の暴力から逃れ、別の男性との間に新たな命を授かった。ところがいまの民法は、夫との「離婚後、300日以内」または「まだ離婚できていない」なら夫の子とせよ、と定めている。ふつうなら嫌だ◆しかもこの子の父ではない、と夫の方は訴えを起こせるのに、あの人が父ではない、と女性に訴える権利はない。結果、出生届が出せず、わが子の戸籍が得られない…◆これはおかしい。そう国を訴えた裁判が神戸地裁であった。主張は退けられた。決まりはそれなりに合理的で違憲とはいえないという。と同時に、女性に寄り添った法制度が必要、とした判決に一点の光を見る◆古びたルールに泣く人がいる。〈ありがとう依田さん/おめでとう僕〉。だれもが笑える仕組みを早く。2017・12・1

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