正平調

時計2019/02/10

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「お金のなかったころは…」で思い浮かべる仕事といえば、皿洗い、そして靴磨きだろうか。俺ら貧しい靴みがき/ああ夜になっても帰れない…とは、宮城まり子さんのヒット曲「ガード下の靴みがき」(1955年)である◆随分イメージが変わったと思いながら、“おしゃれ靴磨き職人”を紹介する先日の本紙「人」欄を読んだ。石見豪(いしみごう)さんは大阪に専門店をひらき、ネクタイにジャケット姿でお客さんの靴を日々磨いているという◆その道の日本一を決める昨年の大会で優勝した。いわく、ワイシャツをぱりっと決めて街ゆく人も、靴の手入れはまだまだ。「磨いた靴を履くと、背筋が伸びます」。ピカピカの足元は心まで明るくするらしい◆こちとら「足で稼げ」とたたき込まれた外回りの勤め人、靴なぞ履きつぶしてナンボ、という方もあろう。ノンノン。石見さんによれば、商談先に「靴がきれいだから契約を結んだ」と言われた客もいるそうな◆吉行淳之介さんがまだ売れる前のこと、大家と呼ばれる作家先生のお宅を訪れた。先生は吉行さんの靴とは知らずに玄関で怒鳴ったという。「なんで、こんなキタナイものを、こんなところに置いておくのか」◆何であれ、信用はその足元から。清潔にしておいて、損はない。2019・2・10

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