正平調

時計2019/02/11

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カラフルな幹と枝が、うねうねと伸びる。その「生命の樹(き)」を巡る階段を上ると、原生類から人類に至る生物の模型が姿を現す。2025年万博の大阪開催が決まり、再び注目される「太陽の塔」の内部を見てきた◆1970年の大阪万博のテーマ館だった。芸術家・岡本太郎さんの代表作で、塔内の表現は原初を忘れた現代文明への批判のようにも感じる◆70年万博のテーマは「人類の進歩と調和」。その基になる基本理念がまとまる過程が興味深い。最近文庫本として編まれた作家・小松左京さんの「大阪万博奮闘記」に出てくる◆民族学者の梅棹(うめさお)忠夫さんや小松さんらが64年、自発的に「万国博を考える会」をつくる。博覧会とは何かを問う関西らしい自由な論議を、官僚の一部はうるさがる。しかし最終的には、その成果が基本理念に生きた◆小松さんは輸出振興のための万博に疑問を呈し、「よりよき明日への手がかりをつかむ」ことが目的と強調した。「進歩を良い方向に導くための哲学が調和だった」と後に語っている◆25年万博の略称が「大阪・関西万博」となった。太陽の塔からの約半世紀をしっかりと総括し、社会の将来像を示すことができるか。そこに哲学はあるか。小松さんや岡本さんらが空から凝視している。2019・2・11

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