正平調

時計2019/02/17

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作家立松和平さんが思い立ち、国を動かして生まれた制度がある。「古事(こじ)の森」という。林野庁の資料では現在10カ所◆由緒ある木造建造物もいつか修復に迫られる。しかし適した木材が減ってきた。だったら100年、200年、いや400年、切ってはならぬ「不伐(ふばつ)の森」をつくり、育てようという運動だ◆京都・鞍馬山は貴船神社などの修復材、愛媛・久万(くま)高原は松山城改修への備え…というわけだが兵庫県内にはない。いやいや、備えていた樹齢120年ほどの木で大改修を始めた寺があることを紙面で知った◆本堂が築400年以上という豊岡市出石町の宗鏡(すきょう)寺である。使うヒノキやスギは寺を囲んだ所有林育ちだ。小原游堂(ゆうどう)住職によると、3、4代前の住職たちが「何かの役に立てば」と、住民らと植えたのだという。長い時間を刻み、やっと迎えた本番である◆立松さんが書いている。自分が植えた木の400年後を見ることはできない。「でも、それはそれでいいのです」「ただ植えるのです。残しておくだけです」。きっと宗鏡寺のかつての住職たちも同じだろう◆伐採後の山には、小原住職も地域の子どもたちと植林するそうだ。その木々がいつ、どのように役立つかは分からない。でも木はいつか誰かの力になる。2019・2・17

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