正平調

時計2019/02/18

  • 印刷

「副指揮者の佐渡裕です」。世界的マエストロがあいさつすると、稽古場は笑いに包まれた。3月2、3日に神戸文化ホールで上演されるオペラ「ラ・ボエーム」では、若手の粟辻聡さんが本指揮者を務め、佐渡さんは裏方として支える◆プッチーニの最高傑作とされるこのオペラは、芸術家仲間の恋や友情を描いた青春物語。「だから若い人に振ってもらう方が楽しくなるはず」と佐渡さんは言う◆神戸では1991年から本格的なオペラが毎年行われていたが、阪神・淡路大震災後の財政難などで2001年に休止した。14年に再開され、今回が復活第3弾となる◆24年前の3月、佐渡さんの師である小澤征爾さんは、震災の爪痕も生々しい神戸市長田区で演奏会を開いた。喜劇オペラ「セビリアの理髪師」が流れると、満場の被災者に笑顔が戻ったという。それが音楽の力だ◆震災に与えられた新たな使命として、佐渡さんはその後に起きた東北や熊本の被災地にも通い続ける。小澤さんから佐渡さん、そして次世代へ。人々を励ますタクトは受け継がれる◆もちろん災害は起きないでほしい。だが、悲哀の底から何か得るものがあってもいいだろう。例えば神戸に優れたオペラ文化が根付けば、街はもっと輝きを増すに違いない。2019・2・18

正平調の最新
もっと見る

天気(5月28日)

  • 25℃
  • 21℃
  • 70%

  • 25℃
  • 20℃
  • 70%

  • 26℃
  • 21℃
  • 70%

  • 25℃
  • 21℃
  • 70%

お知らせ