正平調

時計2019/03/07

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一冊の本を読み返した。「勾留百二十日」。書いたのは元大阪地検特捜部長だ。部下の証拠改ざん隠蔽(いんぺい)事件に絡んで逮捕され、一転して調べられる身になった。その詳細な手記である◆初めて読んだとき、こんな場面に赤線を引いている。なぜ保釈が認められないのか。面会の家族に問われた彼は、こう答える。「ボクがこれまで被疑者に対してやっていたと同じことを彼らがやっている」と◆「同じこと」とは、被疑者が否認すれば保釈を阻み、長く勾留して自供を迫っていく取り調べ手法のことだ。「人質司法」と自身も呼ぶ。検察官にとって大きな武器だと◆会社法違反などの罪で起訴された日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告が保釈になった。身柄拘束108日。無実の訴えを法廷がどう裁くかが焦点だが、検察が用いる人質司法も国際世論に裁かれそうだ◆きのうの紙面で、元特捜検事の郷原信郎(のぶお)弁護士が「日本の刑事司法の異常性」と言い切っていた。自供しないと検察は保釈に反対し、裁判所も認めない。こんな現状を見直せという主張にうなずく人は多いだろう◆大阪地裁では森友学園前理事長らの公判が始まった。こちらの拘束期間はさらに長く、299日に及んだ。その長さにまず深いため息をついてしまう。2019・3・7

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