正平調

時計2019/03/09

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「黒っぽいつなみでした。くさかった」(小2、仙台市)、「ヘドロが乾燥して、粉じんがまい、とても体に害のあるものになってしまいました」(小6、宮城県石巻市)◆2011年に出た「つなみ-被災地のこども80人の作文集」(文芸春秋臨時増刊号)を読み返す。過酷な体験の一方で子どもたちは鋭い感性で津波の色やにおいに気づいていた◆津波はすさまじいエネルギーで海底に沈殿していたものを陸に揚げた。「産業廃棄物を含むヘドロは普通の泥ではない」。呼吸器が専門の石巻赤十字病院(石巻市)の矢内勝(やないまさる)副院長が教えてくれた◆東北の沿岸には製紙工場をはじめ数々の工場がそろう。排水が流れ込んだ海底にはヒ素や鉛など有害物質が堆積している懸念がある。ヘドロは乾くと粉じんとなって飛散した◆呼吸器疾患は阪神・淡路大震災の際にも多発した。真冬の避難所、不自由な暮らし。高齢者を中心に肺炎が相次いだ。肺は環境変化に敏感に反応する◆アスベスト(石綿)が含まれている瓦礫(がれき)もあった。倒壊家屋や処理場の近くを、マスクもつけず奔走していた人々の姿を思い出す。吸い込んでから十数年から50年後に被害を起こす。そのリスクはいくら強調してもしすぎることはない。阪神・淡路の教訓である。2019・3・9

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