正平調

時計2019/03/12

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あれから8年がたった。新聞やテレビはページ数と時間を割いて、東日本大震災を特集している。「東北のことを思い出してくれるだけでもありがたい」。あるいは「今が一番つらい」。そんな被災者の一言一句が胸をつく◆寺山修司の言葉にある。「人は『時を見る』ことなどできない。見ることができるのは『時計』」だけだと。確かに暦を見るかぎりでは同じ8年の歳月であっても、感じ方は人それぞれ、他人には推し量れない◆原発事故によってふるさとを追われ、戻るに戻れなかった避難者にとっての8年はどうであったか。また町が目に見えて復興していくほど、自分だけが置いていかれた気分になり、苦しんでいる人もいるだろう◆1人暮らしのお年寄りが復興住宅で孤立し、「孤独死」が増えているという記事をきのうの本紙で読んだ。「仮設の方がよかった」との声も聞かれる。過酷な避難生活を強いられての「関連死」も後を絶たない◆いずれも24年前の阪神・淡路大震災から向き合ってきたことである。教訓は後の災害に受け継がれ、現場レベルではきっと懸命の努力と工夫がなされてきた。なのに救いの手から命がこぼれ落ちる。どうしてか◆24年という時間が今こそ試されよう。ありったけの知恵を、東北に。2019・3・12

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