正平調

時計2019/03/21

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テーマがなんであれ、記者会見は背筋が伸びる。人生をかけて話しているなと思うことも間々ある。しかしこの人の場合は、どうもすっきりしない◆日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長である。東京五輪の招致を巡る贈賄の疑いで仏司法当局の捜査を受けていると分かって、1月に会見を開いた。ただし7分間。質疑応答もないままに◆潔白を訴えるにしてもあの会見はいただけない。捜査中とはいえ問われて困ることがあるのかと、むしろ疑念が募った。そして一昨日、会長を退任すると発表した。異例の事態というのに今度もすっきり度が低い◆「ど真ん中のストレート」。危機管理の専門家田中辰巳さんが説く記者会見のポイントだ。重い問題があるときほど、言い訳しない、あいまいにしない、責任の所在をはっきり語る。だれがどう助言したのか、会長の投げる球は外角へ外角へと逃げる◆吉野弘さんは漢字にちなむ詩をよく書いた。たとえば「解」は「『刀』で『牛』の『角』が切り落とされ」。そんな一節もある◆どんな力が刀に加わったかはともかく、東京五輪を前にJOC会長という大きな角が切り落とされる。疑いが「解」消するならいいが、信用が瓦「解」するなんて…、いやいや考えたくもない。2019・3・21

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