正平調

時計2019/07/22

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自民党が大敗し、当時社会党の委員長だった土井たか子さんが「山が動いた」、そう語ったのは平成元(1989)年の参院選である。女性候補の躍進は“マドンナ旋風”と呼ばれた◆土井さんの言葉は与謝野晶子の「そぞろごと」という詩を踏まえている。〈山の動く日来(きた)る/かく云(い)へども人われを信ぜじ/山は姑(しばら)く眠りしのみ…〉。明治の終わりごろ、女性の目覚めを願って詠まれたという◆平成元年の「山動く」とは、リクルート事件などで地崩れを起こすように自民党の信頼が失われた証しであり、怒りのマグマを爆発させた人々の思いでもあったろう。あれから30年、令和初の参院選が終わった◆「安倍1強」と呼ばれてそびえる大山脈の足元が、それほど盤石であったとは思わない。年金の“2千万円ショック”しかり、力ずくの国会運営や数ある失言もしかり、疑念の地割れはあちこちで起こっていた◆与党がそれでも勝てたのは、動かぬ大きな「無関心」の山に救われたおかげかもしれない。およそ半数の人たちが投票に行かなかった。野党も含めたいまの政治へのあきらめ、もしくは不信といっていいだろう◆数の力をもらった、どんな山も登れる、などと首相はゆめゆめ思わぬように。山は姑く眠りしのみ、である。2019・7・22

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