正平調

時計2019/07/24

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別府温泉をたち、妻と列車に揺られた。作家の三島由紀夫が、九州を旅したときのことを書きとめている。「道すがら、『夜明(よあけ)』という小駅の名に心を惹(ひ)かれた」(「戦後日記」より)◆どこにあるのだろう。美しい名前にこちらも旅心を起こして、時刻表をめくる。JR久大本線にその駅を見つけた。大分と久留米を結んでいる路線の愛称が「ゆふ高原線」と聞けば、ますます乗ってみたくなる◆そこに暮らす人たちにとっては聞き慣れていても、初めて目にし、耳にするといろいろ空想をかき立てる駅名がある。兵庫であれば「三日月」(JR姫新線)や「朝霧」(JR神戸線)などもそうかもしれない◆画家で作家の玉村豊男さんに、JR羽越本線で山形を訪ねた折のエッセーがある。「ほどなく列車は小波渡という駅に停まった。コバト」。そのとき窓から見えた日本海の風景が駅名とともに心に残ったそうだ◆夏休みの旅行やレジャーにあれこれ思いをめぐらす季節、胸躍るような駅の名を探して、しばし時刻表に遊んでみるのも楽しかろう。どうせなら、遠いところへ行ってみたい。北海道のページを開くとすぐ、「昆布(こんぶ)」や「北星(ほくせい)」という駅が目にとまった◆駅の名に誘われて…そんなぜいたくな旅がいつかできたらいい。2019・7・24

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