正平調

時計2019/07/26

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ご隠居が縁側から声をかける。「植木屋さん、ご精が出ますな」。よければこちらに座ってお付き合いを、と涼み酒を勧めた。さかなは氷で冷やしたコイの洗い。落語「青菜」である◆植木屋のまいた水のおかげで庭にはさぁっと夕立が通り過ぎたよう…とはちょうど今ごろ、夏の盛りに聞きたくなる情景描写の一つだろう。暗く湿った梅雨のトンネルを抜けたら、不意打ちの酷暑がやって来た◆暑い、熱い。きのうの兵庫県はお昼前から各地で30度を超えた。暑さに体がまだ慣れていないせいか、余計にこたえる。しばらく続くらしい。こまめな水分補給、クーラーの使用など熱中症対策に気を配りたい◆縁側で風に吹かれ、冷たいものでのどを潤す。窓を開け放ってしまえば、そこはもう戸外である。落語のように粋に夕涼みといきたいところだが、いかんせん今の都会に風はない。そもそも縁側が少なくなった◆「戦後、日本人は縁側を失った」。俳優の森繁久弥さんは嘆いたという。そのため「心の縁側」までなくしたと。ご近所さんとの茶飲み話や午睡。失われたのは心に涼味をくれた、そんなひとときかもしれない◆子どもらが縁側に腰かけてスイカにかぶりつき、種をぷっぷっと吹き飛ばす。ああ、懐かしきニッポンの夏。2019・7・26

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