正平調

時計2019/07/28

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題に「約束の-」が付くだけで、不思議と目を引くものだ。誰と誰が、何の約束をしたのだろう。時が過ぎて、その誓いはどうなったのだろうかと◆例えば、アンジェイ・ワイダ監督の映画「約束の土地」、山崎豊子さんの遺作「約束の海」、あるいは宮本輝さんの主著「約束の冬」。時代も描いたテーマも異なるが、題を見るだけで妙に心引かれる◆兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園(豊岡)が管理する施設に古い飼育ケージがある。三木の黒田清右衛門商店、宝塚の旧高碕(たかさき)家住宅主屋と合わせ、国の文化審議会がこのケージを登録有形文化財に加えるよう答申した◆伝える記事で初めて、「約束のケージ」と呼ばれていることを知った。もう使われていないが、かつて捕獲したコウノトリを収容し、「いつか野生に返す」と約束したことから付いたそうだ。いい呼び名である。飼育にあたったみなさんの思いが宿る◆それが半世紀余りも前のことだ。試行錯誤を重ね、ヒナが初めて生まれたのは、約束から24年目である。そして現在、ホームページを見れば野生だけで100羽が舞っている。徳島や島根の空でも羽ばたいている◆長い物語は、この飼育ケージから始まった。文化財登録が決まれば、退いた老優を静かにいたわるとしよう。2019・7・28

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