正平調

時計2019/08/04

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同じロシア語でも、「ハラショー」や「スパシーバ」は耳に心地よい。日本語では「いいなあ」「ありがとう」。口にするだけで気分が弾むようだ◆それに比べ、なんと重苦しい語感だろう。「ノルマ」。仕事の目標という意味でよく使われるが、戦後、シベリア抑留から帰国したみなさんが伝えた言葉らしいから、つらい労働へのうめき声までする◆かんぽ生命保険で耳を疑うような販売が続いていた。よく分からないまま高齢者らが新たな契約を結ばされたりしていたのだ。そんな不正販売へ郵便局員を追い詰めたのが過剰なノルマというから、やりきれない◆かんぽの顧客、約2650万人という。数の上では国民の5人に1人になる。それもこれも郵便局への信頼があってのことだ。見慣れた「〒」のマークが泣いている◆不正融資に揺れるスルガ銀行の行員がこんな例えをしていた。「みんな回遊魚のようだった」。ノルマに追われ、融資先を探し泳ぎ回っているという意味だ。追い立てられ、せかされて。回遊魚はあちこちで泳ぐ◆立ち寄った図書館で夏休みの自由研究のヒントが貼られていた。中学生向けのテーマの一つに「死語」の研究があった。いつか「ノルマ」を使わない時代がきたらいい。そう思って足を止める。2019・8・4

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