正平調

時計2019/08/09

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昔の小歌にあった。〈夢の夢の夢の/昨日は今日の古(いにし)へ/今日は明日の昔〉(「閑吟集」より)。つい前日のことが、はるか昔のように感じられるときがある。災害の後がそうだろう◆2009年8月9日は日曜だった。その日の朝刊には猛暑の話題が載っていたものの、災厄を予感させる記事などない。佐用町など兵庫県の西北部で信じがたい雨量を観測するのは、夕方から夜にかけてである◆たった1日、暦のページをめくっただけで、昨日までとはまるで違った光景が眼前に広がっている。悪い夢であってほしいとの祈りも天には届かない。県内で22人の死者・不明者を出した豪雨から10年がたった◆濁流にのまれる直前、「めっちゃ怖い」とブログに書きこんだ女子中学生の記事を覚えている。行方の分からない孫を、竹やぶに分け入って捜す祖父の写真を覚えている。涙で新聞も重くなる、つらい夏だった◆暗がりのなか、避難しようとして流された人が多い。自宅の2階にとどまる。一刻も早く逃げる。どちらがいいのかはその時々で判断が難しい。まずは日ごろから家族やご近所さんと話をしておく、それがいざというときの行動に役立つのだと信じたい◆今日をただの昔にしたくない。今日の備えはきっと明日に生きる。2019・8・9

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