正平調

時計2019/09/03

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角川の「短歌年鑑 2019年版」が「生きづらさと短歌」という特集を組んでいた。こんな歌が載っている。〈大腸よ正社員になれるまで生きろバファリン二錠飲みこむ〉(山川藍)◆また別の一首。〈ランチへゆくエレベーターで宙を見る七分の三は非正規雇用〉(ユキノ進)。もうちょっとの辛抱だからと自らにむちを打つ悲壮感や、人の雇用形態が気になる社会の息苦しさが伝わってくる◆みんながみんな、ではないにしても「正社員になれるまで」、そう歯がみしてきた人の割合はほかの世代よりも断然、多い。バブル景気が泡と消えてからのつらい就職難にぶつかった「就職氷河期世代」である◆30代半ばから40代半ばまでのこの世代に絞って宝塚市が正規職員を募ったところ、3人の枠に1816人の応募があったという。「605倍」という驚くべき数字が、彼らの置かれた境遇をおよそ語っていよう◆就職活動はしんどい。自分に何が足りなかったのか、よくのみこめないまま「不採用」が続けば、だれだって自信を失ってしまう。〈新しき明日(あす)の来(きた)るを信ずといふ自分の言葉に●(うそ)はなけれど-〉(石川啄木)◆吹きすさぶ寒風に耐えたきのうが必ずや明日に生きると信じたい。チャレンジの門戸がもっと広がったら。2019・9・3

※●は「嘘」の異体字

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